雪の法師温泉を訪れた。外は雪、湯船に身を任せると、足下から湧き出すお湯の泡が体の産毛をくすぐり、静かにお湯を楽しむ。ここは日本。
第18章 法師温泉・長寿館の癒し(追加版-1-)English Information :
HOUSI ONSEN TYOUJYUKAN2012.3.26
18.7 冬の法師温泉へ 前回(第十八章)は12月下旬だったが雪はなかった。法師温泉は内風呂だから冬でも寒くないし、雪に埋もれた秘湯は風情満点であろう。そんな「雪の法師温泉」に行きたいという強い衝動がうずうずとしていた。しかし、泊まりで行く時間がない。そうこうしていると雪は溶けてしまう。そこで、日帰り入浴を決行した。2012年3月下旬。このブログでは日帰りだけでは原則、レポートしないが、前回(十八章)の追加版とすることにした。
東京から関越道を下る。東京は快晴であるが、前橋あたりから雲が出てきた。谷川岳はすでに曇って見えないが、その向こうから雲が流れてくる、典型的な冬の天気である。月夜野で高速を降りるが、遠くに望む水上方面は雪が舞っている。法師温泉の雪模様はどうだろうか、と期待と不安(チェーンはあるがノーマルタイヤ)が入り交じる。17号線から法師温泉方面の細い道に入る。雪はちらちらしているが道路に雪はない。ところが、宿の手前2km位から雪が強くなってきた。また、周囲も雪景色となった。結果は、想像していた通りの風情であった。標高800m、外気温はマイナス4度。ここは雪国!
・ 宿の手前の川:まったくの冬景色である。
・ 宿の入り口の坂道:坂の手前の駐車場に車を止めた。
・ ここを登れば到着である。
・ 懐かしい玄関:特に赤ポストが素敵である。
・ 不思議な写真。玄関のガラスに書いてある「法師温泉」。映っているのはガラスに映った周囲の雪である。
18.8 ロビーあたり
宿泊ではないのでロビーあたりしか歩けない。
・ 玄関の小上がり
・ 天井には光り窓(煙の逃げ道)がある。
・ 有名なフルムーンのポスター
・ 休憩室
・ 壁には温泉の証明書
・ 清潔な廊下
・ 法師の湯の入り口
18.9 法師の湯
日帰りは10時半からである。余裕を見てきたので早めに着いてしまった。一番乗りだが、時間が来ると三々五々に入浴客が来た。風呂に向かう。
・脱衣所から中に入ると、突然、この湯舟が目に飛び込む。
・明るい方から見ると、敷き詰められた石が輝いている。
・ピンボケだが透明な湯の底に、大きな石も。ここに座して瞑想する。第十八章では、これは川の石(大小の石)を再現したものかと書き綴ったが、やはり、これは腰掛けるもの。
・仕切られた湯船が、各々、個室のように感じる。ここに、おおむね3人、多ければ4人が入る。8仕切りあるので、最大で32人か? 仕切りがあるので皆さん整然と入湯されている。日本人らしい几帳面さ。
・底の石:透明なお湯を引き立てている。ぷくぷくと透明なお湯が湧き出る。
・象徴的な窓格子。
・注がれる湯。
・天井には湯気の抜け口。
法師温泉のホームページを見るとORPという、普通の人は聞き慣れない言葉が出てくる。Oxidation-Reduction Potential(酸化還元電位)である。ORP計という理化学測定装置があって簡単に計ることができる。酸素があって酸化力があると電位はプラス、逆に酸素がなく還元力があるとマイナスの電位となる。水しぶきを上げながら流れる川は、大気から酸素が溶け込みORPはプラスになる。溶け込んだ酸素がなくなるとマイナスになる。温泉は地下から湧出する。地下には酸素がないから当然ORPはマイナスになる。この状態の温泉はアンチエージング効果があるという。女性にはうれしい。
訪れたのは平日だった。それでも最初の10分で数名、皆さん静かに瞑想されている。この雰囲気はたんげ温泉とよく似ている(たんげ温泉が法師温泉に似ている)。誰も多弁にはならないのである。そのうち、バスも到着したらしく、ご夫人方々がマナーよく入湯された。少し、会話が多くなったようだが、それでも静かなもの。40分程度で出て行かれた。残った数名がまた、静かにお湯を楽しむ。年代は、シルバー年代の方ばかり。今後、高齢化が進む日本では、このような需要がますます高まるだろう。
18.10 雪の風情
館内から見た外の景色
ガラス越し、あるいは、格子戸越しに、外の雪景色が垣間見える。冬はすべてが、一層静かである。黒い建物と白い雪、モノトーンがすばらしく美しい。夏と秋は、生命の色が一層輝くだろう。
帰りしなに外を散歩した、すでに雪は止んでいた。宿から上の方に歩いていく。最も古い建物は1875年だという。
上流から見た法師温泉。湯殿と川、まさに、乳頭温泉・鶴の湯との相似形である。雪景色の水もまた清冷である。
18.11 おわりに
行き帰りの雪道が別世界へと誘い、着いた宿は雪景色。都会と隔絶した自然そのままの世界である。お湯に浸かること1時間半、生まれたてのお湯を存分に味わい、至福の時を過ごした。温めでアルカリ性の湯が好みなので、ここは、かなり個人的に波長が合う。東京からこの近さ(車で3時間)で、明治〜昭和の湯宿がそのまま残っている。変わらぬことが資産である。・なお、本文と写真は予告なしに改訂することがありますことご了承ください。
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