fc2ブログ
2012 03 << 123456789101112131415161718192021222324252627282930>> 2012 05

那須・北温泉のタイムスリップ-2-



 安政、明治、昭和に建てられた部屋がありいずれもレトロ。名物の「天狗の湯」、夜に一人で浸れば静かな時間が過ぎてゆく。
ブログの全体メニューに戻る(→Top page)

第26章 那須・北温泉のタイムスリップ -2-
English Information : KITA ONSEN

 本題に入る前に、今見てきた映画「テルマエロマエ」(THERMAE ROMAE)の報告から。今日(4月28日)から封切り。阿部寛が生真面目なローマ人をまじめに好演している。漫画でも笑いを誘う所が、観客も笑いを誘っている。「決して笑わないように」と指示されて演出されたに違いない。上戸彩も好演。北温泉はかなり露出度が高く、日本の秘湯代表格としてロケされている。しかし、そのすばらしい風情は訪れた人にしかわからないだろう。なので、是非とも宿泊体験をオススメ。温泉ではなく「秘湯」です。

26.4 3つのタイプの部屋
 
 増築されてきた経緯で、建物は最も古い安政時代(24部屋)、次が明治時代(20部屋)、最後は昭和時代(9部屋)、各々の部屋が残っている。いずれも6畳程度のコンパクトな部屋主である。湯治宿だからこれで充分である。女将さんに案内して頂き、予約していた安政時代の部屋を迷わずお願いした。実は一泊二食付きで値段が7500円、8500円、9500円である。しかも曜日に関係なく。一人の宿泊も可能である。これは間違いなく良心的で、経営哲学のしっかりした宿である。つまり、湯治を守り抜いている。

・ 昭和時代の部屋:造作が新しい(といってもかなりレトロ)。
DSC00279_convert_20120422062712.jpg

・ この部屋からは窓からは外の「泳ぎ湯」が見渡せた。
DSC00280_convert_20120422062742.jpg

・ 明治時代の部屋、それなりにレトロ。
DSC00278_convert_20120422062801.jpg

・ 安政時代の部屋、かなりレトロで、天井が低い。
DSC00532_convert_20120422062820.jpg

・ 布団棚、セルフサービスである。それで充分。
DSC00357_convert_20120422062903.jpg

・ ふすまは安政時代ではないと思うが、日本の風情満点である。日本の文化は原色をきらい自然にある色を主体にしている。わびさびの感じと言ってよいか。
DSC00360_convert_20120422062922.jpg

26.5 天狗の湯

 通路の奥にすだれがあり、そこをくぐるといきなりこの湯がある。脱衣所も廊下の先と湯船の横にあるだけである。「混浴」だから女性にはハードルが高い(ゆ浴み着はだめ…)。それ位いいではないかなと思うものの、ここは湯治場だから宿のコンセプトに従わねばならない。これは伝統であるから崩せない。昼間は日帰り入浴客も多いが、時期や時間を選べば人は必ずしも多くはない。
 
・ ランプ電灯が二つかかっているがかなり暗い。右手奥に大きめの天狗の面、左中央には小さめの面がある。天狗が発見したといういわれで、昔からここに掛けられているとのこと。2013年には鮮やかな赤に塗り替えられていた。
DSC00285_convert_20120422062941.jpg

・ 元気な大きめの面:赤茶色というか色がくすんでいてよい。
DSC00295_convert_20120422063003.jpg

・ 控えめな小さな面:横には祈願をしたためた絵馬が吊るしてある。
DSC00287_convert_20120422063049.jpg

・ 湯船:小さめとは聞いていたが、予想より大きめの湯船、そして、ふんだんに注がれる源泉、全くの掛け流し。温度はおそらく43度程度、ほんの少し熱め。常連の方はもっと熱めの湯(それが本来の姿)がお好みだという。
DSC00289_convert_20120422063109.jpg

・ 透明な湯だが、ほんのわずか茶色がかって入るようだ。手ぬぐに少しだけ色がつく。
DSC00290_convert_20120422063128.jpg

・ 湯口には析出物が粒状になっている。おそらく鉄系のものだろう。
DSC00460_convert_20120422063147.jpg

・ 溢れ出る湯。電灯と外の光が反射していて美しい。
DSC00291_convert_20120422063206.jpg

・ とにかくどんどん溢れている。
DSC00298_convert_20120422063234.jpg

・ 夜遅くになるとこんな感じで誰もいない。実際はもっと暗い。
DSC00445_convert_20120422063253.jpg

・ 振り返ると、入り口の廊下の灯りが差し込んでいる。
DSC00456_convert_20120422063314.jpg

・ その灯りが湯面を照らしている。湯温は少し下がっていて多分40度強、長湯ができそうな好みの温度になっていた(たまたま)。
DSC00458_convert_20120422063333.jpg


 この「天狗の湯」、実は宿泊した部屋(350号)から一番近い。部屋を出て階段を下りるとそこが入り口である。直感的に言うと、風呂付きの部屋である。考えようで贅沢な話である。満足する。さて「天狗の湯」の奥から一旦外へ出ると(裸のまま)、二つの湯が連なっている。最初のは「打たせ湯」、次が貸切できる小ぶりの「ぬる湯」である。

・ 「打たせ湯」:上から湯が落ちている。湯船はない。
DSC00301_convert_20120422063356.jpg

・ 「ぬる湯」:ぬるくはなくやや熱めだった。ホースで水を入れることができ、湯温は調整できる。ここの入り口を開け放って、外を見ながら入るのがよい。湯舟の手前では寝そべることができる。
DSC00302_convert_20120422063418.jpg

・ 注がれたお湯が石の間を伝って湯船に注ぎ込む。
DSC00304_convert_20120422063437.jpg

 天狗の湯は狭いと聞いていたが思ったより広かった。豊富な湯量で清潔である。また、夜遅くに一人静かに入るのがよい。-3-では「河原の湯」「芽の湯」「相の湯」を紹介する。


・温泉概略データ(源泉3):源泉掛け流し、計1620リットル/分、50〜56度、pH=6.3、単純温泉、蒸発残留物=579〜866mg/l、内湯(混浴1、打たせ湯1、貸切1、男1、女1)、露天3(混浴1、男1、女1)、一泊ニ食で7500〜9500円。
・なお、本文と写真は予告なしに改訂することがありますことご了承ください。
・文章と画像の著作権は著者にあります。許可なくコピー・転載できません。
ブログの全体メニューに戻る

FC2 Blog Ranking


にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ にほんブログ村
にほんブログ村 旅行ブログ 秘湯・野湯へ にほんブログ村
相互リンク募集・リンク集
人気ブログランキングへ
旅休ドットコム・ブログナビゲーター
.28 2012 温泉 comment0 trackback0