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秋田県・日景温泉の薬効 -2-



 日景温泉の湯はアトピーなど皮膚の治癒効能で有名。白濁だが中性で湯温も適温。露天風呂で美しい蛾を発見した。オオミズアオだ。

第37章 秋田県・日景温泉の薬効 -2-
English Information

 日景温泉は1889年(明治22年)の磐梯山の大噴火の時に湧き出た温泉である。1893年にこの宿が造られた。その創立者が日景さんだったとのことだ。つまり、温泉としてはかなり新しい宿である。お湯は温度が41度くらい、硫黄臭のする白濁中性の湯で、玉川温泉がpH=1.5、草津がpH=2.4に比べると肌にはやさしいだろう。ただ、体を任せると濃厚な成分を感じる。溶けている成分が8700mg/lもある(単純温泉の10倍程度)から。ここに薬効のある成分があるのだろうか。

37.3 内風呂

 内風呂は総ヒバ造りである。硫黄臭はきつくない。何か薬のようなにおいも混じっているような気がする。本当は気のせいかもしれないが、純粋な硫黄臭ではない。内風呂の湯は実は少し加温されているらしい、特に冬は。(もっと純粋に源泉に入りたい人は、湯治用の湯船に行くことになる。)
 
・全景:白い湯、秋田杉の屋根、床は石だ。東北の鄙びた湯の象徴のような風呂だ。
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・奥から入り口方向を見る。灯りがきれいだ。
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・湯船はこんな感じ、見る角度と時間で色が違う。
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・右側の小さな湯船は、深さが30cm程度しかなく寝湯である。
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・湯口からどんどん流れ落ちる。
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・天井は重厚。どこの温泉も湯気を排気するため湯宿の天井は高い。
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・湯船から溢れても入るが、横からも湯が出されている。
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・湯の通った跡
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・湯が流れ出て行く、さようなら。
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37.4 露天風呂

内風呂から引き戸一枚を隔てて露天風呂に続く。

・ 比較的小ぶりの落ち着く露天風呂だ。
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・ 色が異常に白くなっているのは、おそらく雨のせいだ。雨が落ちるとより白くなるのだ。(七味温泉参照)それにどうしても乳頭温泉・鶴の湯を思い出してしまう。
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・ 岩の外には雑草が生えている。すすきではなかった、どこにでもある雑草だ。それがいい。
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・ 湯の湧き出ているところ。
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・ 露天風呂の中から外を見ると対岸に杉山が見える。
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 露天風呂に浸ると内湯の建物の土台が黄色くなっているのを発見した。硫黄のせいだ。
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・ 内風呂の建物の土台が変色している。(実はこの上を、溢れた湯が流れている)
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 さらにボーっとしていたら、網膜の中に違和感のある不思議な物体が浮かんだ。大きな蛾、それも水色の羽をもつ美しい蛾がとまっていたのである。
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 瞬時に、露天風呂と同じ色ではないか、まるで、露天風呂から生まれたような蛾だな、と感じ入った。蛾が嫌いな人は多いが、私は嫌いではない。夜に飛ぶということ、模様が毒々しいということから嫌われやすい気の毒な生き物だ。触覚がかわいらしいと思う。さて、この蛾の名前は「オオミズアオ」である。この蛾を「幽界からの使者」と表現した人がいた。なんとも幻想的な生き物だ。今回に限っては「日景・露天風呂の使者」と言いたい。色が同じ過ぎる!(この色は蝉が生まれる時のあの色と同じだ、見たことがある人なら納得するはず)

 さて、もう一つ、興味深い話を一つ。大型の蛾は成虫になった時点で口が退化しているそうだ。必然的に食物を食べることなく数日で死ぬ。幼虫の時に蓄えた栄養で受精・産卵し息絶える。食べる手段を封じられて宿命的に死ぬ、なんという壮絶な生だろうか…。-3-では湯治用の風呂と料理を紹介する。


温泉概略データ:160リットル/分、動力揚湯(地下30m)、泉温41.3度(外気温-4.9度の時)、pH= 6.5、含硫黄・鉄(II)−ナトリウム・カルシウムウ・マグネシウムー塩化物泉、蒸発残留物=8714mg/l、知覚試験:微白色微白濁で塩味があり硫化水素集がある、内風呂男女各1、露天風呂(混浴)1。

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