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新高湯温泉・吾妻屋旅館の開放露天-3-



内風呂は宿泊者のみ利用できる、しっとりとした総ヒノキ造りの湯船、お湯も一番きれいだ。シャワーは熱いが源泉を浴びることが出来る。

第39章 新高湯温泉・吾妻屋旅館の開放露天 -3-

 内風呂がこんなにすばらしいとは予想外だった。新高湯温泉・吾妻屋旅館は露天風呂がウリだと思っていたが、ここに来て、プラス内湯をお勧めしたい。お湯は桝から注ぎ込まれるが、蔦温泉のような感覚が一瞬頭をよぎる。

39.7 内風呂
 
 もちろん男女別で24時間いることができる。宿泊者は心おきなく身を沈めることが出来る。水をほんの少し足して湯温を適温にしてあるようだ。そのほうがいい。落ち着いたヒノキの湯船がすばらしい。女性陣は、露天風呂の場合は少々人目を気にせざるを得ないが、内風呂はとにかく落ち着く。

・ 男性用の内風呂
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・ 湯面のさざ波は、お湯が左からドバドバと注がれているから。
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・ こんな風に。
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・ 一定量を注ぐための貯湯槽がある。溢れたお湯はここでも掛け捨てだ。
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・ お湯は透明だが硫酸塩泉の色がついてる。
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・ 湯面と黒光りする板がすてきだ。今すぐ入りたい、となる。この感じが蔦温泉に似ている。正直に言おう、露天風呂を主題にしていたが、実はこの内湯がベスト!!
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・ こちらは女性用、男性用と同じ構造で対になっている。
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39.8 食事

 食事は夕食、朝食ともに部屋食である。建物に限りがあるので部屋に運ぶことにあるのだろう。米沢牛の陶板焼と、冷しゃぶが特徴的だった。丁度よい量だ。値段の高い高級旅館では、大量の食事がでることがあるが、簡素なこちらの量が好ましい。仲居さんがシルバー男性の渋い方ばかりで、ハキハキしていてこれまたステキ。

・ 夕食:5時半からだったのでまだ明るい。
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・ 米沢牛
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・ 朝食
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39.9 近場の名所

 宿から米沢市に下ると上杉神社がある。そこにハスの池があった。一面に丁度咲き頃だった。神社の近くには上杉鷹山の銅像があった。

・ ハス池
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・ つぼみ
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・ 開花
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・ 上杉神社
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・ 上杉鷹山
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 最近は直江兼続が知られるようになったが、なんと言っても上杉鷹山のほうが有名だろう。「なせばなる、なさねばならぬ、…」で有名だが、鷹山公は17歳で藩主になり、次々と改革を実行した名君である。巨大な官僚機構が藩のオーバーヘッドとして残り、破産寸前だった米沢藩を率先して立て直したのである。封建制全盛の中にあって「国は民のものである」と看破し、それを「実践」したのである。言うことは誰でもできるが「実践」は本当に難しい。だから「なせばなる」と自分自身を鼓舞したのだろう(他人に対して言ったら明らかなお仕着せである)。高校生、大学生の年で、よくぞ改革を実行したものだと思う。その哲学を師であった細井平洲(儒学の一派である折衷学者)から学んだ。師は米沢藩に出向く若き鷹山に、これから立ちはだかる壁を前に「勇気を持って行え」と最後に伝えたとされる。後の鷹山公はリーダーとしての使命感をもって、時には試行錯誤しながら率先垂範したのである。数々の苦渋の決断にどれほど勇気が要ったか…。今でも通じる名言は多く、のちのちの活躍とエピソード、人間ドラマもすばらしい。一番わかりやすいのは童門冬二氏の書籍。興味のある方にオススメします。

 さて米沢市とは逆方向に行ってみよう。白布温泉から県道2号線(西吾妻スカイバレー:冬期閉鎖)を登り白布峠(1410m)を抜けると裏磐梯檜原湖に続く。温泉から約1時間で五色沼に到着。以外と近い。25年前に行ったことがある五色沼だ。

・ 毘沙門沼:逆行だから瑠璃色の美しさが見えない。
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・ 赤沼:順光だから瑠璃色がすばらしい。幻想的だ。
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38.10 おわりに

 新高湯温泉は、谷筋に源泉があることは古くから知られていたが、開業したのは1902年、110年前のことだ。源泉から200m下のほんの少しの平地(今の場所)に宿が建設された。スペースが限られているので、露天風呂の配置に工夫の跡が読み取れる。サービスしようと努力するので、どうしても、道路に近くならざるを得ずやや窮屈になる。そこは眺望でカバーしている。改善要望はせめて脱衣所を男女別にして欲しいことだ。目隠しの塀なども少しでいいからお願いしたいところ。お客によりもっと支持されると信じるし、露天風呂三昧を女性にももっと味わってほしいから。

 立地の点では宿の方々は相当苦労されていると思う。特に、天元台ロープウェイからの冬期の急坂道路の維持は大変なことだと思う。そんな中で露天風呂を24時間開放し、お客に露天風呂三昧をしてもらいたい気持ちが伝わってくる。有り難うございます。また、来ます。

 それから、後で気づいたことだが、宿から天元台まで徒歩でたった30分で登れるそうだ。時間を作って行くべきだったと悔やまれた。山奥はハンディだけでなくメリットにもなる。山から下ってきたら露天風呂で汗を流し、さらに自然を満喫して下山できる。


温泉概略データ:山側200mから自噴2カ所170リットル/分、源泉泉温55度、含硫黄—カルシウムー硫酸塩泉、pH=7.0、蒸発残留物=1338mg/l、内風呂男女各1、露天風呂5(混浴3、女性用1、貸切1(濁り湯))。
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.30 2012 温泉 comment0 trackback0