あずまやの内湯は槙風呂(大風呂とさまし湯)、露天風呂、むし風呂、家族風呂と多彩だ。特に槙風呂のさまし湯が秀逸だ。第45章 湯の峰温泉・あづまやと世界遺産-2-English Information写真累計枚数:2785枚
45.4 館内
玄関を入ろうとすると宿の方が引き戸を開けてくれた。写真を撮り忘れたが、古い引き戸が感じよかった。建物は明治37年(1904年)に改築されたという。
・ 入ると目の前がフロントだ。
・ 横にはセンスの良いランプ。
・ ロビーはゆったりとくつろげるようになっている。
・ 風呂の横にはお土産屋さんと机と椅子が。コーヒーも飲める。
・ 屋内の生け花、いずれも感じが良い。2枚
・ 部屋は10畳位だが、窓側がひろい。角部屋だ。
・ 部屋を出て風呂に向かう、途中にかかっていた暖簾.
45.5 男性用(今回は小さめの方)の槙風呂
あずまやの風呂は大きい方と小さめの二つがある。宿泊した日は小さい方が男性用、大きい方が女性用であった。実は、この割り振りは宿泊者の男女比によって替わる。つまり、当日は男性の方がおそらく少なかったのだろう。こんな柔軟な宿は初めてである。民主主義型の風呂だ。
その風呂の特長は総槙造りの湯船だ。大きな湯殿の中には大きい風呂と「さまし湯」がある。まず、特長は源泉があずまや独自のものということだ。宿の敷地(風呂の近く)に源泉があるという。これを自然湧出の環湯(たまきゆ)と称している。源泉温度は92.5度と高温だから加水しなければ入れない。つぼ湯とおなじだ。大きい風呂は加水して適温になっているが、さまし湯の方は、加水ではなく、湯船に注ぐ前にさまして適温にしている。つまり、源泉そのものだから、有名なつぼ湯よりも泉質がよくて完全な源泉掛け流しということになる。これは得難い特長だ。
・ 右が加水した風呂、左が源泉掛け流しのさまし湯。床は木と石を組み合わせた模様にしつらえてあるし、木の床は滑り止めの斜め線が刻んである。この辺が独特な味を醸し出している。昔からこの設計だったのだから、造った人のセンスが良かったのだ。
・ 大きい方の風呂も、槙造りでなかなかの風格だ。湯船の中は黒い。ほのかな硫黄臭がして、微量だが湯の華も舞っている。やはり木製の湯船は落ち着く。
・ さまし湯は一人が定員だと思う。二人入ることも不可能ではないが、見知らぬ人と一緒に入るのはちょっと遠慮したいところ。お湯は透明に見えるがほんの少し青灰色に濁っている。風呂の横に掛け混ぜ用の道具が掛けてあって、よくかき回して入れとなっている。
さまし湯はまったりと肌にまとわりついて心地よかった。気のせいか温泉成分が濃厚に感じる。湯船が小さいのもいい、自分の空間で一人で静かに落ち着ける。他の人がいる時はそっと出てあげる。すぐにその人が入る。幸せは分けてこそ幸せだね。
・ 湯口は結晶物が析出していて、濃厚な源泉が出ている証拠を雄弁に物語っている。色は肌色で今まであまり見たことのない艶かしい色だ。
・ お湯が静かに溢れている。
・ 壁も天井も槙だと思う。特に古い名湯の特長として、高い天井、大きな梁、排気口がいい。
・ 脱衣所の横にはむし風呂がある。源泉の蒸気を充満させているようだが、サウナというほどの高温ではなく、暖をとる程度。それでもいろいろと楽しめる工夫がしてある。
45.6 露天風呂と家族風呂
露天風呂は内風呂とは別にある。こちらは透明な湯がどんどん注がれている。湯温も適温に近い43度(体感)。こちらの源泉は、宿の目の前にある川の源泉を引いているそうだ。鄙びた内湯に比べるとぐっとモダンになっている。こちらに入湯するオススメ時間は早朝だ。冷気の中で透明できりりとした湯が合う。今日も一日がんばろうという気になる。もっとも、旅行中は何もがんばらないというのが旅行なのだが。
・ 露天風呂
・ 透明な湯だ
・ 岩の隙間からお湯を注いでいる。
家族風呂は二つある。ほとんど誰も入っていないようだ。風呂の数が多いからだろう。大きさは手頃な小さな湯船だ。二人で一杯の大きさ。お湯は内風呂と同じだ。構造は二つとも同じだが床の木の模様が変えてある。
脱衣所に扇風機が置いてあった。ほとんど骨董品並みの古さ、それがいい。静かに回り、風ももちろん出る。-3-では料理と女性用(今回は大きい方)の槙風呂を紹介する。実はこちらの方が圧倒的によかった。

要約すると、湯の峰温泉あづまやの佇まいと槙風呂の落ち着く空間は一級品だ。特に源泉掛け流しの「さまし湯」は定員一人だが、温泉の原点と言える。湯の峰温泉は「つぼ湯」といい「さまし湯」といい、お一人様に敬意を払っているようだ。-3-では女性用の内湯と露天風呂を紹介する。実は男性用(今回は小さい方)よりはるかによかったのだ。あづまや
温泉概略データ:源泉量:92ℓ/分、92.5度、含硫黄炭酸水素泉、pH=7.6、お湯の色は季節や時間によって七色に変わるとされている。蒸発残留物=1283mg/ℓ、内風呂男女各1(湯船は各2)、露天風呂男女各2、家族風呂2。
・なお、本文と写真は予告なしに改訂することがありますことご了承ください。
・文章と画像の著作権は著者にあります。許可なくコピー・転載できません。
ブログの全体メニューに戻るFC2 Blog Ranking
にほんブログ村
にほんブログ村
旅休ドットコム・ブログナビゲーター相互リンク募集・リンク集