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東山温泉向瀧

登録有形文化財の歴史建築、中庭を望むベストポジションの部屋に泊まり、透明でさらさらの極上源泉を愉しむ。人気の理由を体感。
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第150章 福島県 東山温泉 向瀧
Chapter 150 section 1, Fukushima prefecture HIgasiyama onsen Mukaitaki
Japanese information: 向瀧
English information: Mukaitaki
2020.6.19-20

150.1 はじめに

 2020年6月19日、コロナ問題の最中、この日から越境移動が正式に可能となった。じっと我慢のこの半年、行くならやはり東北だ。なかでも、一度は行かねばならない宿、それが向瀧。

 純和風の歴史建築で国の登録有形文化財。会津若松市から車で10分程の至近距離ながら、渓流に沿って鬱蒼とした森に覆われている。建物にも圧倒的な迫力がある。
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 宿の中からは逆に川が目の下
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 向瀧は明治6年に、会津藩指定の宿が民営化されたのが始まりという。当時は「きつね湯」と言われていて、そのままの場所に現在も「きつね湯」が湧き出ている。現在の建物は明治35年に建設が始まり、増改築が繰り返され、昭和9年に大規模な工事によりほぼ現在の姿になったそうだ。

 中央の中庭には紅葉の樹木に覆われた池に鯉が泳ぎ、初夏には蛍が舞う。中庭を取り囲み右手山斜面上に5階にも見える重層なレトロ建築。部屋数は意外や全部で24室。今回は、池を眼下に望む2階中央の人気の部屋だった。

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150.2 宿について

・ 正面からみるとデンと構えている。
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・ 玄関から足を踏み入れると実はロビーがない。これは新鮮で、機能面では一向に困らない。昔ながらのスタイルを踏襲しているのだろう。
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・ 部屋名はすみれ、10畳の部屋に広縁が続く。
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 広縁からは真下に中庭の池が見下ろせる絶好のロケーション。女将さんが電話で「人気の部屋ですよ」と言っていた意味がわかった。

・ 広縁から左手を見る
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・ 右手には
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・ 庭から見た建物
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・ 泊まった部屋は鯉の泳ぐ上の二階
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 実は眼下の池には蛍が舞う。この日は小雨模様だったが、それでも蛍が数匹点滅していた。蛍というのは日本人の琴線に触れる、それは、自己主張せずに静かに、そして柔らかな光を放つ奥ゆかしさにシンパシーを感じるからだろうか。(写真はありません)

・ 磨き込まれた床、年期の入った階段と手すりが歴史を物語っている。惜しむらくはスリッパである。靴下は部屋に常備されているのでスリッパは不要かもしれない。足は綺麗な床が好きだから。

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150.3 温泉

・ さるの湯です。惜しげも無く、静かに溢れる透明な湯。今は独り占め、感謝。
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・ 伝統ある湯治湯が「きつね湯」。硫化物の結晶がびっしり!これがなかったら温泉じゃない。
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動画:湯量が多いので湯船の中はやや熱め。




・貸切湯、3つ同じのがあります。自由に入ってよく、この日は誰もいませんでした。貸切に一人で浸るのもおつなもの。
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 向瀧の源泉はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・硫化物泉です。蒸発残留物が1860mg/kgあるのはこの硫化物、それが結晶になっている。さっぱり感が抜群で温まります。

 レトロな建物にこの温泉、紛れもない名湯です。


150.4 おわりに

 向瀧は東山温泉の代表格の宿です。鉄筋コンクリートのホテルは雪や寒さに耐える特長がありますが、木造の温泉宿、それも登録有形文化財というのが第一の売り。文化財登録制度ができたのが平成8年、その第1号が向瀧。館主の意気込み、歴史を守り抜く決意を感じます。

 第二というか並列した魅力は、動画でも紹介しました温泉。完全透明な源泉が静かに流れる、そこに身を任せる幸せ、ワタクシとしては冬にお籠りしたくなる宿です。

 訪れたのは6月下旬の小雨混じりの日、中庭の池に蛍がちらほら。日が暮れてから翌朝まで点滅していました。ご苦労様というかありがとう!


東山温泉向瀧: 内湯は27.4ℓ/分、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・硫化物泉(低張性弱アルカリ高温泉)、56.2℃、pH7.7、蒸発残留物1860mg/kg、男女別内湯各1、湯治用内風呂男女各1、借切り内湯3。

次回は余談で二重らせん。(Continue to next report)
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福島県 東山温泉 向瀧
.30 2020 温泉 comment0 trackback0