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板室温泉 大黒屋

館主の芸術哲学に基づく「保養とアートの宿」である。アルカリ性単純温泉のさらさらの湯、低温岩盤浴は眠ってしまうという心地。
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第153章 栃木県 板室温泉 大黒屋
Chapter 153,section 1,Tochigi prefecture Itamuro onsen Daikokuya
Japanese information: 大黒屋
English information: Daikokuya
2020.9.4-5

152.1 はじめに

 気になる温泉というものが必ずある。その一つがここ板室温泉大黒屋である。アートと銘打っているが、それは宿内外の随所に見られるアート展示と「倉庫美術館(菅木雄)」が例を見ないコンセプトだから。

 ブログなどをみると、展示アートについては好き嫌いがあるらしい、ということは普通ではないはず。それが何かが気になるところ。

 そして温泉はアルカリ性単純温泉、これはいいはずだ。すぐ横にある「Onsen Ryokan山喜」の泉質もとてもよかったから。

 お値段はやや高めで2万円台である。ワタクシの守備範囲ではかなり高めだ、ということはなぜ高いのか、どこがいいのか、ますます気になる。謎の温泉だ。

152.2 宿の佇まい

橋を渡るといきなり敷地内になる。広々としている。

・ 玄関は落ち着いた高級宿の佇まい。
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・ 左手に回り込むと広々とした中庭
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・ 囲炉裏にやかん
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・ (後でだが)お茶をいただく、美味である。
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・ 館内に入ると、やはり落ち着いていて広々としたくつろぎ処になっている。
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 右手の展示スペースには人間国宝・小森邦衛氏の漆器が整然と並んでいる。一番高いのは300万円であった。

 実は、ここではそれなりに高いものが売れるらしい。つまり、温泉にギャラリーがあるのではなく、ギャラリーに温泉がある。

 後で出てくる館主の室井さんの説明によると、銀座で個展をやるより、ここでやったほうが売れることがあるらしい。

 つまり芸術家の個展用の宿=ART固定客でもあるのか!それで、最近は月替わりで個展が開催されている。謎の一つが解けました。

・ 床は無垢の木である。合板と無垢では相当な価格差がある。左手奥に暖炉スペースがあるが、暖炉ではなく暖房機が設置されていた。これも不思議なところだ。
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・ どうでもいいがお土産スペース。高級なものが多い。
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・ 外を見ると先ほどの中庭だ。
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・ 部屋は一番奥であった。中庭に面している。
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・ 寝室は落ち着いている。
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・外は広大な庭
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ここで動画を一つ、宿の横を流れる清流那珂川の源流です。


・ 順番が違うが朝食の一膳です。なるほど。
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152.3 温泉

・ 一番よかったのは「ひのきの湯」2段に分かれていて、片方はほんの少し熱め、他方はぬるめ、このぬるめの湯がいい。目を閉じて瞑想したくなる。
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ここで動画を


 温泉をあえて二つに分けると、ガツン系と癒し系があるようだ。前者は濃厚成分や硫黄臭、濁り系で、後者はとにかく低温系だ。後者は必ず長湯になる。

・ もう一つが「アタラクシア黄土浴」、これは低温岩盤浴である。
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 部屋の温度は約40度、専用の浴衣を羽織って寝転ぶ。何がいいのか?と訝りながら体を横たえる。なんということはないと思いきや、いつの間にか眠り心地。

 暑くないからサウナのような刺激がない、でも背中はじんわりと輻射熱が伝わって来る。これが眠気を誘う仕掛けだ。なるほど、これが保養の一つだった。

 3人が定員のようだが、思った以上に人気があった。常連さんのお目当の一つらしい。

 ・内湯の「太陽の湯」これは、言ってしまえば平凡ではある。
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 全く余計な御世話でああるが、ART内湯の最高峰は妙見石原荘です。

 ・外には「露天の湯」が続く。この宿の風格からすると少し狭いかもしれない。が、居心地はいい、というのもやはりぬるめだから。
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152.4 アート

 さて、課題に近づいてきた。翌朝、大黒屋代表の室井さんに菅木志雄の倉庫美術館を案内していただいた。難しい話をわかりやすく解説しながら徒歩5分で美術館に到着した。

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 室井さんが「才能と能力」の話、「作品名と作品」についての話をお聞きした。作品名と作品との関係は一方が原因で片方が結果ということらしい。

 どちらが原因かは気分で異なるようだが、見たところ、多くは、作品(自由心象)が原因で作品名が結果(後付け)に見えました。その、ツッコミたい気持ちを抑えて鑑賞。

・ 壁に所狭しと作品が掲げてある。一つ一つに注目すると多くが「?」だが、「えっ!」と思う作品があったり、全体を見たら動物園のようだったり。
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 自然素材の(庶民から見ると)いわゆるガラクタの類、絵の具、を、額のようなスペースに、何らかの意図または気分のおもむくままに配置した、という感じだ。共通するのは自然の造形ではない、ということ。

 人間が造った「もの」。その理屈にしたがって「似たようなもの」ならワタクシにでもできそうだ。つまり、模倣はだれでもできるのか。

 菅氏は1970年代から「もの派」と呼ばれる芸術活動を続けられてきた方。実は作品はネットでも購入できるようだ。値段はまちまち。なにか一つ買って「菅木志雄」というラベルを貼って部屋に置いておけば感動的だ。

 大黒屋の英語のHPには”ONSEN×ART×RYOKAN"となっていた。さいごの"RYOKAN"は”RETREAT"ではいかがだろうか。

152.5 おわりに

 毎月5日は餅つきの日だそうだ。餅つきは槍見館ではほぼ毎日だったような気がする。ちょうど9月5日の朝、大黒屋の餅つきが始まった。
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 出来立ての餅が振る舞われた。これは感謝!あんころ餅、きなこ餅、だいこん餅の三種類も!(餅の右はお漬物です)
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 宿泊代は2万円台でしたが、Go to キャンペーンを利用し、結果的にかなり盛りだくさんでお特感がありました。日頃は経験できない体験でしたし。

 さいごに、玄関のアート作品をどうぞ。

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板室温泉大黒屋:120.4ℓ1/分、アルカリ性単純素泉、36.4℃、pH9.4,蒸発残留物442mg/kg、
内風呂男女各2、露天風呂男女各1、低温岩盤浴男女各1。

次回は福島県高湯温泉 旅館たまご湯。(Continue to next report)
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栃木県 板室温泉 大黒屋
.05 2020 温泉 comment0 trackback0