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高湯温泉・吾妻屋の静寂

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福島県・高湯温泉といえば青白色の濁り湯がすばらしい。ここでは吾妻屋の静寂について紹介する。(「日本秘湯を守る会」から厳選)


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第4章 高湯温泉・吾妻屋の静寂
English Information : FUKUSHIMA TAKAYU ONSEN AZUMAYA
2010.8.12-8.13

4.1 はじめに

 福島県の高湯温泉と言えば「青白い」濁り湯である。少し気取って「瑠璃色」または「エメラルド色」と言ってみようかと思ったが、瑠璃色はやや群青色に近く、エメラルド色はやや緑かかっている。正確に表現すると、単純だが「青白色」というのが一番近い色である。後で写真を見ていただきたい。

 どの家庭でもお風呂のお湯は透明である。これがもし、出てくるお湯が青白いとしたら驚きであるが、自然の温泉の恵みとして濁り湯は日本中、火山に近いところに多い。濁り湯の色も様々だが、一番人気は白濁の湯である。中でも、高湯の青白さはかなり群を抜いている。その露天風呂に一人で浸る。お客はいないようだ。静寂の至福。吾妻屋について紹介する。

 高湯温泉地区は江戸時代から「一切の鳴り物を禁ず」という申し合わせを守り通し、歓楽的な開発を行ってきていない。それゆえ、街は車が坂道を行き交う以外は静かである。文字通り、温泉に浸るためだけに訪れる場である。

4.2 露天風呂に向かって歩く

 母屋から露天風呂に向かって歩く。後で紹介する露天の男湯、女湯、貸し切り風呂のある「風翠」を左に見ながら、緩い坂道を上ると「山翠」に着く。その途中で下の写真を撮った。苔があるとついつい撮ってしまう。

・ 杉苔である。勢いがある。きっと風土が合っているのだろう。
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・ 所々に若木の芽が出ている。上から落ちてきた実が発芽したものだ。
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・ 山翠の入り口:左が男湯、右が女湯である
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・ 中にいると湯船は右手眼前にあるが、そこまでの数メートルの道である
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・ 右にはもう湯船が迫っている
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4.3 驚く青白さ: 露天風呂「山翠」

 初めてこの青白い湯を見て驚いた。雑誌の写真ではこのように映っている写真はあるが、まさかそれよりこれほど美しいとは!曇天と晴天では色が全く違うが、晴天の時にはなにか鉱物を溶け込ました人工的な色に見える。曇天のときには、やや鉛のような質感がある。

・ 板の小道の延長に露天風呂がある。
 晴天の時、濁っていて透明度は20センチメートルくらいであろうか
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・ 湯の花が岩にこびりついている
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・ 曇天のときに、湯船から脱衣所を見る、中央の石がアクセントである
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・ 湯船の周囲には雑草が自然と生えている
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・ お湯はふんだんに流れている
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・ ここに一人で浸っている贅沢
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・ 曇天の時には樹々が湯面に陰を落とす
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・ 足で申し訳ないが、このお湯の美しさがわかる
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 日によって違うようだが、湯の花が底に沈殿している。これをかき回すとさらにもうもうと真っ白になる。入湯できる時間はアバウトで「日の出から日没まで」となっている。これがよい。多くの露天風呂ではだいたい朝6時から夜22時までとか「時間」で決められている。

 しかし、夏の朝は目覚めも早いし、5時頃には夜明けの光の中で入湯したいもの。「日の出から」であるからこれが可能である。この早朝に入る爽快さは何者にも代え難い。露天風呂に、結局、30分ほどは誰も来なかった。周囲の自然に囲まれた至福のときである。実は、湯船の横に川が流れていると、大小を問わず、私の評価ポイントは俄然上がる。

4.4 露天風呂横のせせらぎ

・ 湯船から溢れ出たお湯が流れるところは、小さなせせらぎになっていた。
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 右からは女湯からの湯も合流している。その上流に、この小さな滝が見えた。上流から引いた沢水を、分水して引いているのだろう。清流が心地よい。単に湯船の溢れ出た湯を流すなら、それは「排水溝」である。しかし、ここでは、温泉がせせらぎの一部として自然に帰ってゆくのである。空を見上げれば真っ青な夏の空。

・ この空でわかるようにこの日はかなり暑くなった
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4.5 露天風呂「風翠」

 「山翠」を出て宿に向かう。先ほどの「風翠」がある。左手が女湯、右手が男湯、そのさらに右が家族風呂である。履物を外において入るので、人が入っているかどうかわかる。露天風呂は「山翠」が二つ、「風翠」が三つ、合計5カ所である。
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・ 女湯:一番開放感があるようだ
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・ 男湯:両脇に木製の壁があるが十分である
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・ 家族風呂:のんびりできる
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 いずれも二人が入って足を伸ばせばちょうど良い大きさである。風情も同じであるが、このこじんまりとした空間で、ゆっくりと自分の時間を過ごせることに満足する。古ぼけた木製の造りと壁がしっくりくる。お湯はふんだんに流れていて気持ちよい。(外にある源泉まで行ってみるとかなりの湯量があった)

 この他に内風呂として男湯、女湯、家族風呂の三つある。露天風呂と会わせて合計8カ所である。ところが、吾妻屋は部屋数が10部屋しかない。宿泊者以外の入湯は受け付けていないことから、ほとんど人に会わないのも合点が行く。静寂さが管理されているのである。この宿はそのようなコンセプトで作られ、運営されているといえる。つまり、自分の露天風呂に思う存分浸っていただく、という思想である。思いっきり青白い濁り湯に静寂の中に思う存分一人で浸る、至福のとき。

4.6 吾妻連峰・鎌沼

 高湯温泉は西吾妻連峰の中腹にある。温泉と山はセットであるから、吾妻山の散策について紹介する。磐梯吾妻スカイラインの浄土平から、噴煙の昇る一切経山を右手に見て、1時間ほどで鎌沼に着く。
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・木製の道を上ってゆく
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・霧の鎌沼:散積する岩の黒さのコントラストがよい。
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・所々に池唐がある
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・霧が晴れて来た。
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鎌沼を時計反対方向に回り、浄土平に戻った。ちょうどよい散策であった。

4.7 おわりに

 高湯温泉には温泉街がない。昔のまま、数件の宿が道路の両側に集まっているだけである。街にはつまらない享楽がないことが象徴しているように、高湯の方々こそがこの街の静寂も大事にし、温泉客に本物の温泉とお湯を提供しようとしている。温泉好きにこよなく愛される所以である。

 象徴的なのは、高湯温泉全体がそのものが「源泉掛け流し宣言」をしていることである。全国8番目という。『「源泉掛け流し」とは、自然に湧き出た湯を沸かしたり、水を加えたりせずに浴槽に入れ、溢れ出た湯はそのまま排出すること』と定義されている。適温の潤沢な湯に恵まれた自然資産である。

 もう一つ、お酒の持ち込みについて触れておきたい。吾妻屋では、お酒の部屋への持ち込みが全く自由である。露天風呂に行く母屋の出口付近には大型で中が見える冷蔵庫がおいてある。ここに、自分のお酒を入れて自由に飲むことが出来る。私は、ビールと焼酎とワインを入れた。名物女将からは名前を書くように勧められたが、守るまでもなかった。ビールは当然としてワインを入れる人が多いようだ。

 風呂上がりのお酒を楽しみ、相対的に人は少なく、お風呂は一人でも自由に入れる、二人でもさらによし。私のブログでは料理についてはあまり書かないことにしているが、実は料理もコスト的に満足できる。そして、早朝にも青白色の静寂の湯をさらに楽しむ。ここは生きている内に行ける天国である。感謝。さて、もう一度吾妻屋を再訪し、少し詳しくこの続きを紹介します。

温泉概略データ:533リットル/分、45-50度、pH=2.8、酸性ー含硫黄−カルシウム・アルミニウムー硫酸塩泉、成分=1643mg/l、内湯3、露天5
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