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湯の平温泉・松泉閣の吊り橋-4-


聞いたことも見たこともなかったが「チャツボミコゴケ公園」にサプライズ!酸性水のみに繁殖する緑色のコケの群落、自然の造形に感嘆。

第四十四章 湯の平温泉・松泉閣の吊り橋-4-

44.10 「日本で最も美しい村」について

 -4-では紀行文に移る。中之条町は伊参地区(四万温泉の東)と六合村が「日本で最も美しい村」The most beautiful villages in Japanに登録されている。これはNPO法人「日本で最も美しい村」連合に申請して登録されたものである。登録基準は(1)人口がおおむね1万人以下がであるが、特に次の(2)3つの条件の内二つ以上をカバーしていることが条件だ。①生活の営みにより作られた「景観」、②豊かな自然や自然を生かした街谷村の「環境」、③昔ながらの祭りや郷土文化、建築物などの「文化」。この他、(3)美しい景観に配慮したまちづくりを行っている、住民による工夫した地域活動を行っている、地域特有の工芸品や生活様式を頑に守っている、などが基準となっている。山村等で生活を営む方々が、「日本で最も美しい村」に登録することで自分の村に誇りを持つという。すばらしいことだ。

このパンフレットが宿においてあった。(表紙はおしゃれなデザインと英語表記だ)
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 このNPO法人は、フランスの「フランスで最も美しい村」をモデルに2005年に設立された。最初は7つの村からスタートし現在は49村(町)となっている。2012年10月には「日本で最も美しい村」という本も出版された。-1-でそば屋の話から始まったが、この地域は日本に残された山村の原風景が色濃く残っている。特に、チャツボミゴケ公園は、自然資源として高く評価されたものだ。

44.11 「チャツボミコケ公園」

 話はこの地域の自然資源に移る。中国に九寨溝(きゅうさいこう)という名所がある。深山の中に、水が階段状に流れ落ちる名所だ。九寨溝はカルスト地形の淡水の湖水地方である。石灰石の成分(炭酸カルシウム)が沈殿し日中は真青に染まる。

 チャツボミゴケ公園はさしずめ、このミニチュア・コケ版である。中国は清流が流れるが、こちらは温泉が流れ落ちる。規模は小さいし「チャツボミゴケ公園」を知る人は少ないと思う。聞いたことも見たこともない人が多いだろう。あにはからんや、驚きの名所である。サプライズだ。強酸性の鉱泉の飛沫を浴びて育つ、ビロード状の緑色コケである。「まりごけ」とも呼ばれるが、その正体を見れば名前の由来は一目瞭然だ。本州で唯一の大規模群生地だ。松泉閣で様子を聞くと「行くべきです」と断言された。そうか、と出かけた次第。

 4月から11月30日までの午前9時から午後9時まで開園している。訪れたのは11月下旬だ。行きたい方は、今年は終わってしまったので来春にどうぞ。道の駅「六合」から車で約40分。入園料200円を管理事務所に払い、車の方は、道のロープを外して専用の駐車場に向かう。

・ まずは京塚温泉から管理事務所に向かう途中の風景から:白根山が見える。昨日の雨(雪)で染まったようだ。個の一帯は高原野菜の産地らしい。
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・ 公園の当たりで見かけた凍った水たまりと雪の名残り。歩いている間に、細かな雪もちらほら舞ってきた。冬の始まりなのだ。
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・ 駐車場から公園に向かう道:川はすでに湯気を上げている。
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・ 近づくと小さな滝が現れた。
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・ 小さなコケが現れ始めた。
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・ 次の滝だ。湯気を上げている。手を浸すと30度くらいに感じる(実際はもっと低い)。外気は寒く5度未満だから湯気が出ているのだろう。
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・ ここは急流だ。
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・ しぶきの上がる周辺にびっしりと元気良いコケがボール状に塊を造っている。まりごけと呼ばれる所以だ。
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・ 緩やかな流れの横にもきちんと群生している。
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・ こんもりと盛り上がってなかなか可愛い。緑色が実に鮮やかだ。
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・ 対岸に渡る木製の橋がある。
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・ 一段開けた所に着くとそこは一面の一大群生地だ。温泉が幾筋も連なって流れる脇に、コケが所狭しと群生している。
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・ 清流の量が豊富だ。
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・ こちらは水の色が茶色に見える。この訳は、向こうの山が枯れた山だからだ。つまり落葉した林の色が映っているのだ。幻想的だ。
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・ 水は盆地をつくり、急流を造りながら、コケの間を流れる、それは逆で、コケが水の流れないところに勢いよく繁殖しているのだ。
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・ 最上流のところは、温泉成分が底に白く析出していた。
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 写真である程度は感じてもらえると思うが、かなりのサプライズであった。こんな場所が日本にあるとは!そのわりに訪れる人はかなりまばらで、ゆっくり散策できたのも印象がよかった。公園事務所の方から聞いた話では、季節は夏が一番いいと思ったら「夏はコケがむしろ黒くなり、実は緑が一番美しいのは秋」だそうである。ラッキーだった。

 ところで、さして遠くない距離に名湯・草津温泉がある。草津は温泉街となっていて人も多いし、いろんなお店もひしめいている。つまり「街」である。それに比べるとここは隔絶した自然世界だ。自然が好きな人は「行くべき」である。
 
 最後にふと気づいたことがある。姥湯温泉で見かけたコケはもしかしたらこのチャツボミゴケだったのではないだろうか。酸性温泉の近くで湧き水の横に生えていたコケだ。興味のある方は第三十八章 姥湯温泉・枡形屋の異次元-3-にどうぞ。

44.12 おわりに

 湯の平温泉からコケ公園に話が飛んでしまった。しかし、温泉は地域文化でもあるので、文字通り「日本で最も美しい村」の一側面が温泉であり、「美しさ」を際立たせているもう一つの側面がチャツボミコゴケだ。さらにはおいしい蕎麦もある。

 地域全体としてみると草津は高温強酸性の硫黄泉、コケ公園は草津の東に位置していて強酸ではあるが温い。草津からさらに東に行けば尻焼温泉や湯の平温泉、もっと東に行けば四万温泉がある。遠ざかる程、お湯はおだやかになるのかな。山村が連なる、この昔をとどめた古き良き地域は東京から最も近い「日本で最も美しい村」だ。日本、捨てたもんじゃない!


松泉閣
温泉概略データ:源泉量:未測定、71.2度、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉、pH=8.0、無色透明、蒸発残留物=1100mg/ℓ、内風呂男女各1、家族風呂1、露天風呂男女各1。
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