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湯の峰温泉・あづまやと世界遺産-1-


紀伊半島の南部中央には世界遺産の熊野古道がある。その拠点としても有名な湯の峰温泉は開湯1800年という。つぼ湯も世界遺産だ。
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第45章 湯の峰温泉・あづまやと世界遺産-1-
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写真累計枚数:2756枚

45.1 はじめに

 関西には有馬温泉等メジャーな温泉があるが、紀伊半島の中央には秘湯の雰囲気漂う、湯の峰温泉がある。ここは、いつかはどうしても訪ねたい宿だった。日本の湯宿の雰囲気を色濃く残す宿だからだ。期待に胸を膨らませて、南紀白浜側から向かうことにした。国道311号線を1時間半程度だが、途中の道にはコンビニなどはなく、山間の川に沿った道をただひたすら走る。車は少なく快適だ。進むにつれ山塊が次第に大きくなってゆく。今は車で行けるが、昔の人はここを徒歩で行った。それが当たり前とはいえ苦難の道だったに違いない。

 藤原定家が、京都から出発して一ヶ月に及ぶ道のりの紀行を残している。それは熊野詣の旅で、当時、熊野詣は、庶民から天皇までが訪れた人生の一大イベントだった。定家は途中で風邪気味になったり足をくじいたり、山中で寒い小屋宿に泊まったりで、大変な苦労をしたが「熊野新宮大社では涙が出る程感動した」と記録を残している。出発したのが西暦1201年10月5日、熊野大社に到着したのが16日であった。

 信仰の地として栄えた湯の峰温泉は大社に参詣する前に身を清め、旅の疲れを癒す場所だった。これを湯垢離(ゆごり)と言う。今は熊野古道が世界遺産に登録されて、古道を散策する人たちが訪れている。

45.2 湯の峰温泉

 湯の峰温泉は熊野新宮大社の車で10分程手前にある。小さな川(四村川)に沿って10軒程の宿が集まった鄙びた温泉だ。

・ 中央を整備された小川が流れる。
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・ 左手に「あずまや」がある。どっしりとした宿だ。
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・こちらは夜
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・ 山間の方から沢山の人が降りてきた。熊野古道散策を終えた方々だ。結構な人数が時々降りてくる。コースになっているのだ。
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・ 川の傍らで噴出する温泉を貯める桝がある。蒸気が出ている。源泉の温度が高いのだ。
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・ 湯壷と呼ばれる源泉。一帯は(強くない)硫黄臭が漂う。確かに温泉だ。
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・ 温度は90度くらいらしく、卵(近くの店で生卵が売っている)をネットに入れて浸し、温泉卵を作っている。「卵を取られないように」というのはカラスからである。
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・ 溢れた湯が川に流れているが結構な湯量だ。下流で手を浸したが、確かに結構熱い。
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・ 傍らの子宝地蔵。由来が書いてある。
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・ 社がある(東光寺)皆ここでお参りをする。昔からだ。
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 この横には公衆温泉浴場が二つある。一つは普通の温泉で、もう一つは「くすり湯」という。いかにも薬効のありそうな湯だ。違いは、普通の方は熱いお湯に加水したもの(つまり源泉が薄くなっている)。くすり湯は源泉を冷やしたものだ。くすり湯には皆で入る湯船と家族風呂がある。

・家族風呂:小さな湯船だ。お湯は透明に近い。
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45.3 世界遺産「つぼ湯」

 湯の峰温泉の名所は世界遺産の「つぼ湯」だ。訪れた日は12月初旬の土曜日、予約のための番台(先ほどの公衆浴場の番台)に行くと受け付けてくれるが、すでに埋まっていた。入湯したのは翌朝だ。朝は6時からやっているというので、一番で体験した(12月だから寒かった)。泉質はよくわからないが、参考までにくすり湯の方の泉質は、87ℓ/分、89.6℃、pH=7.8、蒸発残留物=1228mg/ℓ。無色透明、微硫化水素臭。以外に淡白と言える。

・ 川のほとんど傍らに湯殿が建っている。四方を囲われた湯殿だ。
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・ 裏側(上流)が入口だ。
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・ 横には橋がある。
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・ 入口だ。番号札「1」をつけて入る。
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・ 入口の右は川だが、すぐ目の前の岩からお湯が噴き出している。岩の割れ目というより、岩の真ん中から吹き出している。不思議な吹き出しだ。
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・中に入ると、真下にとても小さな湯船が見える。写真では見ていたが想像通りの小ささだ。「見た目」では拍子抜けなのだが、すごい歴史を背負っている。
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・ ここに静かに入る。ただし、事前に水を加えなければ入れない。源泉がそのまま出ているのだから入れば湯で卵になる。水の蛇口が用意してあり、番台で言われたようにどんどん水を入れた。適温になってから入る。お湯は薄く白い色に濁っている。やや深めの湯船で下に石が引いてある。背中の傾斜がリラックスさせる。
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 一体どこが源泉かわからないが、実は湯船は長さが3mほどあるという。その下からお湯が湧いてくるのだ。おぼれないように石が詰めてあったわけだ。お湯は奥の壁伝いに上がってくる。つかっていると少しづつ熱くなって行く。そこでたまに水を加える。自分の好みに湯温を調整できるのはよいことだ。1000年以上前は湯船は多少違っていたとしても、この湯にいにしえの老若男女、多くの人が癒されたのだと思うと感無量であった。

 湯の峰温泉は1800年前に開湯されたと言われ、つぼ湯は日本最古の湯として世界遺産に登録されている。日本中いたる所に最古の湯があるような気もするが、信仰の道「熊野古道」と不可分の関係という意味で文化的歴史的背景が重い。また、つぼ湯は小栗判官蘇生の湯としても有名だ。今では病気になれば薬を飲んで直すこともできるが、薬草や漢方薬以外に対処法がなかった時代には、温泉はきわめて有効な療養法だった。現代医学でもすべてが科学的に証明されている訳ではないが、温泉成分の違いで効能も異なる。大抵は療養効果により、人間の持つ自然治癒力を引き出すのではないだろうか。さて、-2-ではあずまや自身を紹介する。


あづまや
温泉概略データ:源泉量:92ℓ/分、92.5度、含硫黄炭酸水素泉、pH=7.6、お湯の色は季節や時間によって七色に変わるとされている。蒸発残留物=1283mg/ℓ、内風呂男女各1(湯船は各2)、露天風呂男女各2、家族風呂2。
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