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垂玉温泉・山口旅館の涼風

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垂玉温泉・山口旅館の滝の湯はまさに水墨画の世界である。ここに浸れば涼風を感じる。(「日本秘湯を守る会」から厳選)


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第6章 垂玉温泉・山口旅館の涼風
2010.8.9-10

6.1 はじめに

 熊本県・垂玉(たるたま)温泉・山口旅館は阿蘇山中央火口丘の南西側、夜峰山の麓にある。夜峰山と言っても普通の人は知らないと思う。場所的には阿蘇五岳の烏帽子岳(左足の部分)の南西と言った方がよい。垂玉温泉に至る道は狭く、車で登ってゆくのだが、夕刻以降になると道を間違ったのではないかと心配になるころ、曲がりくねった道の後、到着する。一帯は硫黄臭があり、旅館の駐車場の一角からも淡い蒸気が出ている。

 山口旅館の名物は「滝の湯」である。「日本秘湯を守る会」のガイドブックの表紙を飾っているので、一度は行きたいと思っている人は多い。「涼風」を最後につけたのは「滝の湯」で眺める金龍の滝だけでなく、横を流れる川から吹き上げる涼風が実にすばらしかったからである。


6.2 飛行機から

 飛行機が熊本空港に近づき着陸態勢に入るころ、天気がよければ阿蘇山がきれいに見える。写真は、実は帰りの飛行機から離陸時に見たものであるが、逆に着陸しているように説明してゆくことにする。

・ 阿蘇山の南側上空から阿蘇山一帯を見下ろす。噴煙を上げる中岳を中央に据える央火口丘と、大きく取り囲む外輪山が見える。日本では最大の外輪山である。とにかくでかい。東西と南北で直径が違うがおおよそ20kmである。
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・ 少し高度が落ち、南西側から阿蘇を望む。左手下には小さな噴煙が見える。垂玉温泉はこの噴煙に比較的近い。
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・ さらに西側に行くと風力発電のきれいな風車が見える。やはり一筋の噴煙が見える。ここまで下降すると空港はすぐである。
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6.3 滝之湯

 空港からレンタカーを借りて、外輪山の俵山を越えて南阿蘇に入る。昔はトンネルがなく、それがまた峠越えでよかったのであるが、今はトンネルで便利になった。国道を越えて、ナビに従い夜峰山の方に車を走らせる。結局、空港からは1時間はかからない。着いてみるとかなり近く感じる。途中、豪雨があったが、宿に着く頃には止んだ。早速、「滝の湯」に向かう。

・ なるほど…すばらしい湯である。しかも誰もいない。お湯の色、岩の「つや」が共によい。お湯は黒川温泉に似た薄い青色である。
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・ つやのよい岩が中央に鎮座している。風情がある。露天風呂には中央に岩が必要らしい。
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・ 「日本秘湯を守る会」の表紙の通り。灯籠があり、背には滝が流れている。この日は豪雨後のため、入湯した初めは轟々と流れていた。傍らに川が流れているが、谷底と滝から涼風が絶え間なく吹いてくる。これで第一印象は決まった。「涼風」である。
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・滝を背景にしてお湯が湯船に落ちる様は、この世のものとは思えない。
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・灯籠と緑のコントラストがすばらしい。この露天風呂の設計者は、この角度から灯籠を見てほしい、と意図したのであろう。
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・金龍の滝である。名前は立派であるが滝自身は控えめである。そこがよい。露天風呂の背後に流れ落ちている。日頃は水量は多くはないが、今日は特に勇ましい。
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・帰りの橋のあたりから見る金龍の滝。露天風呂は見えない。よくもこのような場所に温泉があったものだと感心する。湯船の背後に滝がある風景は例えば奥鬼怒川温泉・八丁の湯があり、こちらはきわめて開放的だが、「滝の湯」では滝は背後にあるが林の中である。そこが心憎い。
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6.4 茅葺きの露天風呂

 宿の中から駐車場の反対側、宿の内側の外へ一旦出ると、茅葺きの湯の建物が見える。この建物は相当古い。朽ち果てそうなところに風情がある。

・茅葺きの湯へのアプローチ
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・ 繰り返すが、なかなか古くて風情がある。中に露天風呂がある。
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・ 中は露天風呂がいくつかある。入り口側に岩風呂がある。内気な風呂である。
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・ 明るい方に木枠の露天風呂がある。大きさがちょうど良いし、木の香りがするような気がする。
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・ 「かじかの湯」の桶風呂である。二つあるとことに愛嬌がある。ひとりずつ入湯しお互い見つめ合うのだろうか。それとも勝手に天を仰ぐのだろうか。

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6.5 内湯「天の湯」

 内湯は外が見えるようになっていてきわめて開放的である。サウナもあるのだが、入り損ねてしまった。(滝之湯に浸った時間が長かった)
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・ 内湯の「天の湯」
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 あっという間に紹介が終わってしまった。実は、この山口旅館は機会があれば年内に再度尋ねるつもりでいる。すでに予約はしているので、特別なことがなければ行くつもりだ。そのときには、もう少し文章と写真を足したいと考えている。興味のある方は11月にこのブログを再訪して頂ければ…。

6.6 白川水源

 前回、木賊温泉では「前沢曲家集落」について脱線した。今回は、近場の「白川水源」に寄り道をすることにする。まず、途中で見たトウモロコシ。よく見る風景だがアップするとオレンジ色がなかなか迫力がある。彼らの主張は「私たちは太陽のエネルギーをこのように濃縮しています」。

・干してあったトウモロコシ
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 白川水源は有名になってしまい、土産物やレストランも出来ている。観光客にとっては便利なもの。「ゆずピリスコ」を買った。「タバスコ」の和風版(ゆず味)である。お薦めします。和洋食、何にでも合います。水源に到着すると下の写真の通り。

・こんこんと湧き出る水:阿蘇山の濾過水である。
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・藻が美しい
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・光が「私が主役」と言っている。
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 さて、次の写真に「?」と思わない人はいないであろう。川の中に岩の煙突が生えて、頂上から水が溢れ出している。ここ白川水源では至る所から勢いよく水が噴き出しているから、そこに岩を積めばこのようになるのであろうか。水たちが「私たちは今、地下から生まれている」と主張している。

・岩の煙突から水が噴き出す。
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・水はあくまで透明である。

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 出ている水はただの水である。文化ではない。しかし、おそらく有史以来、日本人が眺めてきた湧水である。それだけで、数千年以上流れ続けてきた、絶え間ない水を思い起こしてしまう。ここですべての生活が営まれていたのである。やはり水は「文化」である。

6.7 おわりに

 「垂玉温泉・山口旅館」は熊本空港から近く、阿蘇への散策の拠点になるロケーションである。紹介した通り、ほんの少し足を伸ばせば南阿蘇には「白川水源」がある。内牧や阿蘇神社のある宮地側は、水田の多い平坦な地形であるが、南阿蘇はやや傾斜があり変化に富んでいる。また、白川水源だけでなく、小さな湧水がいくつもある。阿蘇五岳に降った雨が裾野の平地で湧き出したものである。外輪山も含めた阿蘇全体に浸み込んだ水が西側の熊本平野で湧き出したのが水前寺公園や江津湖である。江津湖は中村汀女のふるさとである。

 脱線はやめて、垂玉温泉・山口旅館の「滝の湯」、これは絶対おすすめである。冒頭に述べた通り、裸で傍らに立つと、滝からと川からの涼風が心地よい。少し冷えればお湯に浸かる。涼風も浴びれる露天風呂、これは珍しい極楽である。

 山口旅館と目と鼻の先には、これまた名旅館である「地獄谷・清風荘」があり「すずめの湯」がある。こちらは別の機会に紹介したい。


・冬の早朝の「すずめの湯」:あぶくとともにお湯があふれる。
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・なお、本文と写真は予告なしに改訂することがありますことご了承ください。
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.03 2011 温泉 comment2 trackback0

comment

じゅん吉
はじめまして、じゅん吉と申します。

今年の5月に阿蘇の温泉を旅して回った際に、「清風荘」には立ち寄ったのですが、到着時間が遅かったため、「山口旅館」には入湯できませんでした。

8年ぶりに「山口旅館」を訪れ、温泉に入れる!と楽しみにしていただけに、残念でなりません。

でも、こちらの記事を拝見させてもらうことで8年前の記憶がありありと浮かんできて、まるで温泉に入ったような気分になりました。ありがとうございます(笑)

また、いろんな温泉情報をいただきに訪問させてもらいます。よろしくお願い致します。
2011.09.20 22:14
izumi6688
こんばんわ。izumi6688です。
コメント有り難うございます。私が清風荘に宿泊したのは昨年の2月です。
すずめの湯は確かによかったですが、他の湯は私には少し熱すぎました(苦手なんです)。
曲水庵がすばらしいと思いました。いつかもう一度宿泊して、きちんと報告したいと
思います。九州では旅行人山荘や妙見石原荘、おりはし旅館、産山温泉やまなみ
に行きたいと考えています。5年以内程度で。よろしくお願いします。早々

> はじめまして、じゅん吉と申します。
>
> 今年の5月に阿蘇の温泉を旅して回った際に、「清風荘」には立ち寄ったのですが、到着時間が遅かったため、「山口旅館」には入湯できませんでした。
>
> 8年ぶりに「山口旅館」を訪れ、温泉に入れる!と楽しみにしていただけに、残念でなりません。
>
> でも、こちらの記事を拝見させてもらうことで8年前の記憶がありありと浮かんできて、まるで温泉に入ったような気分になりました。ありがとうございます(笑)
>
> また、いろんな温泉情報をいただきに訪問させてもらいます。よろしくお願い致します。
2011.09.21 21:54

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