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奥鬼怒温泉郷・加仁湯の雪見野天-1-


特に雪に覆われた野天風呂の風情に釘付けになる。こんな鄙びた野天風呂が関東圏の奥深くに残っている。ここは秘湯だ。

第46章 奥鬼怒温泉郷・加仁湯の雪見野天-1-
English Information

46.1加仁湯について

 女夫淵温泉より先にある4軒の秘湯が奥鬼怒温泉郷である。下から八丁の湯、加仁湯、日光沢温泉、手白沢温泉の4つである。「日本秘湯を守る会」の宿は八丁に湯だけであるが、他のいずれもが秘湯と呼ぶにふさわしい。電気、水道が来たのは1988年(昭和の終わり)である。それまでは、文字通り徒歩で行く秘湯で、かなりの「通」の方が通っていたそうである。加仁湯の本館(正面の地上3階、地下1階建て)が出来たのもこの頃だ。

 それまでは、冬期間すべては営業していなかった。普通の木造では寒さのため営業できなかったのである。館主によればお客に「部屋で水が凍りますがそれでもいいですか」と聞いてそれでも、というお客が来ていたそうである。その頃の野天風呂は一番奥にある第一野天風呂と川沿いにある第二野天風呂だったそうだ。お客を冬期も迎えるために鉄筋の建家が必要となり、道路ができて電気が開通する前に、本館の設計図は出来ていて、開通とともに建設されたそうである。館主の心意気が伝わる。

 加仁湯の真骨頂はこの第一と第三の野天風呂である。この風情は、乳頭温泉・鶴の湯に匹敵するすばらしさである。特に冬は雪に覆われた風情が群を抜いている。逆に、建物が現代的なことを残念と思う人はいると思うが、これは厳冬期を乗り切るインフラである。

 源泉は5本あり、量はまちまちであるが、元々の源泉は今の本館付近を流れていた沢筋に沢ガニが群がっていたのが由来とされている。もう一つ象徴的な紋章が、蝶のマークである。これは後で偶然、気づいたことも含めて面白い話があるので、最後の-5-をご期待ください。

46.2 たどり着くまで (先を急ぐ方はとばしてもらってかまいません)

① 東武鉄道、バスを乗り継いで行く方法、②宿の送迎バスで(長湯温泉、下今市から)行く方法、③自家用車で行く方法の3つがある。①は東武鉄道は浅草または新宿から乗り、鬼怒川温泉駅で下車、バスで乗り継いで女夫淵温泉へ、そこから宿の専用送迎バスまたは徒歩で行く。②の方法は難しいので省略するが、12月第一土曜日から4月第四金曜日まで。冬の車は遠慮したい方向きで実はオススメだ。③は東北道から日光宇都宮道路を経て、国道121号を上り鬼怒川温泉を経て川治温泉を左折し、県道23号線をひたすら西へ進み女夫淵温泉へ、ここから送迎バスに乗る。一般車は通行できない。バスは12時から随時往復で20-30分で到着する。いずれも結構な道のりだ。簡単に行けるのなら秘湯ではない。

 今回の目的は雪見風呂である。2012年12月30日に一泊した。女夫淵温泉までは、なんとかチェーンなしでたどり着いたが、これは無謀というもの。帰りのために、一日目にチェーンを着けておいた(これは正解だった)。

・女夫淵のバス停:一本杉の向こう側が無料駐車場。
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・バスに乗り換えて加仁湯までの道。
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・雪が次第に多くなってゆく。
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・ 宿の到着だ、この右下方面が八丁の湯になる(徒歩数分か、見えないが意外と近い)。
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・ 正面から見て堂々としている。部屋は三階右の角部屋だった。
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・ 提灯、ここは「日本秘湯を守る会」ではない。
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・ 部屋から見た玄関。宿のバスが止まっている。部屋は14畳と窓際の4畳で広々としていた。ウオッシュレット付きで私たち(今回3人)にとってはゴージャスだ。
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46.3 第三野天風呂

 いつもは館内から紹介するが、そんなことは気もそぞろ、早速、露天風呂から紹介!まず、お目当て第三野天風呂は第一野天風呂(女性用)と並んで、ポスターによく出てくる名湯だ(第二野天風呂は川岸)。第三は混浴でもちろんこの季節は雪見風呂だ。右に男性の脱衣所、左に女性用、湯船は一つである。バスタオルOKだから女性も結構いらっしゃる。ほのぼのとする。

・まず最初に位置関係を紹介する。一番右(宿の奥)が第一野天風呂、その左が第三野天風呂である。
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・ 脱衣所のすぐ先はもう入口だ。太い柱、雪景色、こりゃいいぞ。
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・ 手摺がついている。なぜかと言えば、濁り湯で底が見えないから手摺がないと転ぶかもしれないからだ。すべての造作には理由がある。濁り湯の中を、足下を探りながら見えない階段を降りて行く。脱衣所では足下がかなり冷たかったので、湯船に足を浸すと最初は熱く感じた。
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・ 左側は少し奥まっていて、こちらが女性用の入口だ。
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・ 女性用の方から見ると、なかなかの風情だ。こちらは屋根があるので、雨に濡れないし、少し暗めになっていて、女性から見れば落ち着くだろう。
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・ 雪の重みに耐えるためだろう、柱が太い。古木でいい感じ。
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・ 中央に、なんとなく右左を分ける岩が3つ鎮座している。左が女性入口側、右が男性入口側だ。
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・ 右側は男性入口側だ。屋根はなく開放的だ。雨でも雪でも頭を冷やしてかまわない。
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・ 対岸は崖が迫っている。上の方は実は柱状節理になっている。
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・ 右側の湯船から入口方向を見る。結構広い。
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・ 周囲に雪が積もっている。これもいい感じだ。
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・ さて、ゆったりと浸ることにする。pHは中性に近いから肌にやさしい。湯温は最初、熱めに感じたがすぐに体が慣れた。熱ければ石に座ればいい。冬はこれがいい。体から湯気が立ち上る、たしかに私は生きている、温泉さんありがとう。
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・ すてきな品のいい「若い」ご夫人が入ってきた。ゆゆ着を召されている。誰かの奥さん?
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 建物は奥に行く程寒くなる。脱衣所を出て湯船に体を沈めるとちょうど良くなる。場所によって温度が異なるので、好みの場所に移動する。仲間で来ている人には会話はあるが、おおむね、一人の方が多いので静かだ。皆さん、何も考えずに放心状態で楽しんでいるのがよくわかる。

 さて、お決まりの夜の風呂を楽しんだ、というか今回は早朝だ。冬は朝が遅くて待ち遠しく、夜明けとともに出陣だ。灯りが灯る風呂は本当にすばらしい。光と陰だ。

・ 再び入口:昼は気づかなかったが、右の湯船の温度はやや温いと書いてあるが、実際は両方ともほぼ同じで、どちらかと言えば左の方がむしろ温かった。
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・ 入口を見返る。ランプの照り返しが美しい。
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・ 空が少しづつ明けて行く。空だけでなく対岸の雪も青白く見えてくる。地球はすべてが青い惑星だ。
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・ 堂々とした入口の屋根、今は雪の量はさほどではないが、大雪の後は一層しっぽりとするだろう。何度でも来たくなる湯だ。
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 いきなり野天風呂からレポートした。第三野天風呂は秘湯風情がとにかくすばらしい。宿泊した日は満室だったが、人はさほど多くは感じない。湯船の数が多いからだろう。本当に寒ければ内湯に行けばいいし、ここを訪れる客はこの野天風呂を目当てであることは明らかだ。冬を満喫すると、次には新緑の季節や紅葉の季節も来たくなる。欲張りだな、人間は。でも生きてる内に来なければ…。-2-では女性用の第一野天風呂と貸切露天風呂を紹介する。


加仁湯
温泉概略データ:源泉量:5本で約300ℓ/分強、46〜64℃、含硫黄塩化ナトリウム炭酸水素泉、pH=6.3〜6.7、蒸発残留物=約900〜1500mg/ℓ、内風呂男女各1、露天風呂女1、混浴2、岩風呂1、貸切4、ロマンの湯(きき湯)5。
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