滝までは階段を登るが、そこに、露天風呂が作られ、お湯が注がれている。何とも贅沢な露天風呂である。海外ではこのような風情の風呂はおそらくないのではなかろうか!常時混浴で、結構、カップルの方々が静かにくつろいでいる。沢山は入れないから、数名が限度であろう。滝の音、目の前の山々、眼下の露天風呂、見上げればただただ空、他には何もない、これは贅沢と至福の極みである。
・ 露天風呂から下を見下ろすと、男性用の露天風呂が見える。皆さんもくつろいでいる。こちらを見ているような気がするのは、本当に滝を見ているからだろう。
ちょっとびっくりしたが、個室ではないゆえに、お隣さんとの会話も生まれる。そして、皆、「そちらも秘湯が好きですよね!」と無言でお互いを観察し合うのである。「よく来ましたな〜」と言いたいのである。しかし、声をかけるには人が少々多い。隠れた人気の宿である。
22.3 おわりに 関東圏のなかでこれほどの秘湯群はない。北関東には法師温泉・長寿館、四万方面に行けばたんげ温泉やまるほん旅館などの一軒宿があるが、ここ奥鬼怒温泉の秘湯風情は、全くの山の中で車では行けないという「長所」がある。便利さを追求する人には不便だが、秘湯を追求する人には秘湯らしさがある。車で行けないことが秘湯のレベルを高めているのである。それだけ環境も守られている。
比較的近くには湯西川温泉があり、いずれも平家の落人集落がある。平家は追手の目を逃れるために、可能な限り山奥に逃げ込んだ。最も山奥と感じたのは宮崎県椎葉村であるが、奥鬼怒、湯西側もそこまでの道のりは山の中を結構走らねばならない。この道のりが自然豊かで好きである。他には何もない、それがよい。住んでいる人から見れば「都会人の身勝手」言われることは間違いない。間違いないが許して頂きたい。
館主はここを多くの人に訪れてほしいが故に、値段をかなり良心的にしている。布団は自分で敷くし、食事も一緒、つまりコンセプトは山小屋なのである。それで充分である。目的は温泉であるから。すばらしい温泉が人々を引きつける。
夏、秋、冬にそれぞれ訪れなければ本当の良さは決してわからない。今回の報告では物足りなさ過ぎて申し訳ない。再訪を誓うと共に、皆さんも是非、季節を問わず訪れてはどうだろうか。
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