fc2ブログ
2023 08 << 123456789101112131415161718192021222324252627282930>> 2023 10

土湯温泉 別邸里の湯

二つの湯船が続く借切り露天風呂の深碧の湯は、森と渓流を独り占めする贅沢と極楽。人はなぜ都会を拒絶するのか、その答えが。

ブログの全体メニューに戻る(→Top page)
全てのレポートはこちら(Go to All report)。

第157章 福島県 土湯温泉 別邸里の湯
Fukushima prefecture Tuchiyu onsen Bettei Satonoyu
Japanese information: 別邸里の湯
English information: Bettei Satonoyu
2020.11.12-13

157.1 はじめに

 東北地方のラグジュアリー秘湯の「山人」「だいこんの花」を巡り、残りはここ土湯温泉「別邸里の湯」で締める。今は2020秋、コロナ禍の真っ只中、東京では1日500人もの感染者が出ている(2020年末)。その中でも多くの方々がGotoトラベルキャンペーンを楽しんでいる。

 コロナ禍は一般の人にとっては地獄とまでは言えないが、飲食宿泊業、交通旅行業は倒産の一歩手前だ。政府の指示通りに対策を打って対応しているから、中止しなくともいい、逆に中止すべきかの議論されている。〔2020年11月下旬〕

 Web会議になってしまった都会人、リタイアして時間のある方々が、癒しを求めて温泉に出向く、それは自然なことだ。

 土湯温泉自体は一箇所にこじんまりと集中した山あいの隔絶された温泉街である。里の湯はその外れの斜面にある。土湯温泉で昭和59年に開業した時には、おそらく温泉街には土地はなかったのだろう。それこそ幸いで、森の中の山荘、以前は「辰巳屋山荘里の湯」だった。

 2020年5月にリニューアルし、名前は別邸里の湯に変更された。建屋面積は約1000㎡、全9室のゆとりである。外装は変わらず、内装が徹底した和モダンになった。まるで(以前は知らないが)別の宿である。

157.2 宿の佇まい

 アプローチは急な斜面をジグザグと降りていく。冬は降りる手前に駐車場があってそこまで迎えに来ていただける。この「えっどこ行くの?」と下っていく感じがいい。行き先は隠れ家山荘なのだから。

 優れた温泉というのは、いったん宿に入れば、非日常世界が広がる。

・ エントランス、和風旅館だが、奥行きは全くわからない。
DSC05180_convert_20201203143401.jpg

・横から部屋の明かりがもれてくる(ロビーの横の部屋)
DSC05220_convert_20201203143451.jpg

・ ロビーは明るい木の無垢板、スリッパなし!床暖房で足裏が心地よい。
IMG_2093_convert_20201203143513.jpg

・ 到着時にここでお茶をいただく。
DSC05167_convert_20201203143603.jpg

・ ロビーの奥に隠れ室のようなくつろぎ処がある。かなり居心地がいい。それは狭いスペースながら床暖房で室温が快適なせいか。まったりくつろぐ。
IMG_2092_convert_20201203143624.jpg

・ 里の湯の特徴は、全面が琉球畳張りである(しかも我が家の和室と同じ色)。畳敷は里の湯を象徴する 2枚
DSC05187_convert_20201203143648.jpg

DSC05209_convert_20201203143711.jpg

・ イラスト、森の中なのがわかりますね。
DSC05184_convert_20201203143733.jpg

・ 配置図、ゆったりしたスペースです。
DSC05186_convert_20201203143800.jpg

・ 部屋はシンプルな二間続き。
DSC05168_convert_20201203143825.jpg

・ 外は紅葉の盛り。
IMG_2098_convert_20201203143905.jpg

157.3 温泉

 部屋自体には内湯が付いているが、里の湯の特長は貸切の3つの温泉である。全てが40分の貸切制で、到着時に3回予約できる。夕食前後と翌朝になり、全ての湯を楽しめる。

貸切は内湯のヒノキ風呂である櫨染(はじぞめ)、内湯と半露天風呂が連なる青藍(せいらん)、二つの露天風呂がある深碧(しんぺき)である。この通り名前が凝っているのは、それぞれに凝った特長があるから。

 一番人気の深碧に行きます。杉木立ちの斜面の階段を約50段ほど降りていく。

・ 下から見上げる。
IMG_2091_convert_20201203143939.jpg

・ 湯殿の中にはくつろぎスペースがある。一面の木、外も森。
IMG_2077_convert_20201203144008.jpg

・ 脱衣所から外に出ると、目の前に、確かに碧い湯船、湯煙が上がる。
IMG_2078_convert_20201203144029.jpg

・ 碧いのは底の石で、湯船の降り口にヒノキの長椅子があつらえられている。これがかなりリラックスします。
DSC05172_convert_20201203144051.jpg

 大抵の方はカップルでしょう、お喋りする方、沈思黙考の方、茫然自失の方、さまざまだろう。ワタクシは茫然自失型、魂を抜き取られに来たようなものだ。都会を拒絶まではしていないが全てが些末に見えてくる(そりゃ年のせいデショ)。

・動画をどうぞ


・ すぐ下の渓流沿いには八角形の湯船がある。これもヒノキだ。
IMG_2079_convert_20201203144121.jpg

IMG_2088_convert_20201203144155.jpg

 こちらも動画を。


 次は青藍の動画です。内湯と半露天風呂の二つです。




次は内湯のみの櫨染、こちらはヒノキの大きめの湯船が開放的で落ち着きます。


 動画が続きましたが、やはりこちらの方が臨場感がありますね。土湯温泉の湯は少し高めの単純温泉が主体で、時々硫黄泉混じり。無色透明ですこぶるサラサラ、にごり湯にはない快感です。

157.4食事

・ メニューです、詳細は別にして、どれも手の込んだ会席。
DSC05199_convert_20201203144220.jpg

DSC05188_convert_20201203144253.jpg DSC05191_convert_20201203144315.jpg

DSC05194_convert_20201203144343.jpg DSC05195_convert_20201203144405.jpg

DSC05196_convert_20201203144431.jpg DSC05197_convert_20201203144454.jpg

DSC05198_convert_20201203144519.jpg DSC05201_convert_20201203144543.jpg

DSC05202_convert_20201203144608.jpg DSC05204_convert_20201203144633.jpg

 さて、この中で一つ気になったのがアワビ。小さめの殻の割にアワビがチト膨らんでいた。こりゃ不思議!アワビは熱で縮むもの、で、スタッフの方に「もしかしたら殻と中身は違いますか?」、すると答えを持ってこられました、「その通り、こんな質問をした人は初めてです」。

 えー何を言いたかったかと言いますと、料理の質に板さんのプライドが詰め込まれているから。とにかく料理は手が込んでいる。

157.5 おわりに

 宿の下を散策、わさび田がありました。2枚
DSC05213_convert_20201203144658.jpg

DSC05217_convert_20201203144747.jpg

 名湯というのは、だいたいスタッフの対応が素晴らしい。担当された方は、こちらのへんてこりんな質問にも丁寧に教えていただけました。

 それに、わざとテストしたのではなく、ワタクシのヘマ(いつもの落し物)のせいでご迷惑をおかけしましたが、素晴らしい対応でした。

 そして、ワタクシが「明日は会津・喜多方方面に行く」とお話ししていたら、そちらのイチョウの見頃のスポットを、わざわざネットで調べて、かつ、印刷して持ってきてくれました。(この紹介は次回)

 コロナ禍の様子をお尋ねすると、「リピーターの方で持っています」と。この言葉が里の湯のほとんど全てを言い当てていて、納得いたしました。



土湯温泉 別邸里の湯:4つの源泉(単純温泉、単純硫黄泉、硫黄泉)(土湯温泉から約2km引き湯)、湧出量200-650㍑/分、43-70℃、pH6.5-8.7,蒸発残留物392mg/kg、成分総計436 mg/kg 、各室に内湯、貸切風呂3箇所(湯船5)。

・次回は余談で新宮熊野神社長床。(Continue to next report)
・一つ前に戻る。(Return to a former report)

ブログの全体メニューに戻る。(Go to Top page)
全てのレポートはこちら。(Go to All report)
English list : Japan secluded hot springs list (please click here)

お気に召せばclick
 にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へにほんブログ村

・本文と写真は予告なしに改訂することがありますことご了承ください。
・文章と画像の著作権は著者にあります。許可なくコピー・転載できません。

福島県 遠土湯温泉 別邸郷の湯

関連記事
.03 2021 温泉 comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://onsen6688.blog.fc2.com/tb.php/725-bda0911b