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番外編(46)湯河原惣湯

コロナ禍の中で開業する意思を貫いた新コンセプトの日帰り施設。時間を忘れに行く、森、湯、食、本のレトリート。

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番外編(46) 神奈川県 湯河原温泉 湯河原惣湯
Kanagawa prefecture Yugawara onsen Yugawa-Souyu
Japanese information: 湯河原惣湯
https://yugawarasoyu.jp
2022.1.4

はじめに

 配慮の行き届いた娘夫婦からのお年玉で、オススメの湯河原惣湯を訪ねた。いきなり「惣」という言葉が気になる。本来の意味は別にあるが、自己流に解釈すると「物」思いにふける「心」。2021年8月31日オープン。
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 ここの何がいいかというと大人が日常を離れて心と体を癒しに行く隠れ家、森と渓流の傍で読書、温泉、食事をゆったりと楽しみ、日頃忘れていた「物思い」にふける。

 湯河原惣湯のサブキャプションは“Books and Retreat”、そしてキーワードは森、湯、食、本となっている。それに!子供は入場できない。なので、お客さんは、子供がいないほど若い人、あるいは、子供が巣立ったaged peopleである。

 それに最近、いろんな温泉でもお一人様もよく見かける。客筋が変わってきたことを感じる。

施設

 湯河原惣湯は万葉公園と一体になっている。昔を知っている方々はびっくりするだろう。
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 まず「玄関テラス」で受付をする。
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 食事なし2600円、食事あり5500円、湯河原宿泊者は500円引き。つまり、湯河原温泉に宿泊した方は、翌日にここでさらにゆったりとした時間を過ごして帰りなさい、ということ。

 滞在時間は5時間である。ちょっと長いな、と思っていたら、時間はゆるやかに、あっという間に過ぎてしまった。術にはまったな!

 玄関テラスから川沿いに公園の細道を散策しながら上流に向かう。ところどころに、ベンチが設けられていて、腰をおろせば渓流と森を肌で感じることができる。
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 少し歩くと「惣湯テラス」がある。ロッカーで、黒い館内着に着替える。これで、ありきたりの日帰り温泉とは一線を画し、別世界に迷い込む、やるもんだ!

 ゆったりとした館内着に着替えさせることで、いつもの自分とは別人になる仕掛けだ。それに、施設内で出会う人は、皆シックな館内着なので、自然に溶け込んでいる。
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 食事のレストランはとても落ち着いた雰囲気
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 食事は和食で、控えめな味でレベルがかなり高い。フリードリンクが一杯無料だ。おしゃれなカフェでイタリアン、ではなく体に優しい和食である!和食というのは総じて味が薄い、それで落ち着く。
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 二階はライブラリーになっている。広い空間に、選ばれた本や雑誌が整然と並んでいる。どれもセンスの良い選択だ。皆さん、ゆったりと本を楽しんでおられる。なので“Books and Retreat”ということだ。
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 都会の多くの人は、本なんて日頃、読みません。携帯の文字を覗き込みすぎる日常、とは、しばしおさらば・・本っていいですね。装丁のしっかりした本、写真集、雑誌も、気分に応じてホッピングできる。

温泉

 惣湯テラスのすぐ横が男女別の温泉になっている(お客さんがいたので写真はない)。四角形を組み合わせた入り組んだ湯船、向こうからは渓流の音が伝わって来る。子供はいないから、さらに静かだ。(子供だって静かな子はいるけど)

 上流に向かうと、「奥のラウンジ」と「奥の湯」がある。
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「奥のラウンジ」にも本が置かれている。「奥の湯」は男女別の貸切制だ。これもいい。
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ゆうたり5時間過ごしたら日が暮れてしまった。
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おわりに

 この施設はPark-PFIという手法で建設され、金融機関の融資も入れて約6億円かかったそうだ。Park-PFIというのは、規制のからむ公園を柔軟に使いこなして、公園管理者と施設のwin-win関係で運営することらしい。

 公園敷地での施設建設を認める(多分土地代はフリー)代わりに、施設側は公園の管理を行う。もちろん、施設建設者には審査やら一定のハードルを設け、無造作な開発はさせない。結果、おしゃれな施設が出来上がった。

 行政にしては斬新で柔軟な発想だ。それに、施設運営者(湯河原惣湯)がコロナ禍の中の2021年8月末でオープンしたこと。その意思に敬服いたします。オープンが夏休み最終日というのが意味深長で、大人を市場に捉えていることがわかる(単なる偶然か)。

 湯河原温泉は、今、再生に向けていろいろな取り組みをしている。古い老舗旅館をリニューアルしたりして目が離せない。都市から近いので、一定のお客は必ず来る、という確信を持っているのだろう。

 お客が来るのではなく、お客=現代人が求めている、それを実現するということか。

 温泉街が新しいコンセプトでリニューアルされていくなら、日本もまんざらではない。いつまでも昔のままでいいはずがない。古い歴史は死んで新しい歴史が始まっていく。早く新しい時代に移行してほしい、と思う。


次回は宮城県作並温泉・一の坊湯づくしサロン。
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