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秘湯分類学(1)


秘湯分類学(1) Seculuded hot spring taxonomy
2012.6.23

 「秘湯」の定義について少しもやもやしていたが、最近やっと気づいたことがある。秘湯には大きく分けると二つあることである。「伝統的秘湯」と「モダン秘湯」の両極である。

 「伝統的秘湯」とは例えば「日本秘湯を守る会」の宿の中で、本当の山奥にあって昔ながらの湯宿のたたずまいを守り抜き、主に源泉掛け流しを守っている秘湯。規模は10室強が多い。家族経営で運営できる規模とも言える。良い点として、経営者の考えが色濃く雰囲気に反映されること、そして変えないことが哲学である宿は多い。それが宿泊者の共感を呼ぶ。「伝統的秘湯」のさらに上にはいわゆる「野湯」と呼ばれる「ワイルド秘湯」(Wild Hitou)もある。本当の野に湧く秘湯である。管理されていないが、それがたまらないという秘湯フリークもいる。私は尊敬している。

 一方、「モダン秘湯」とはロケーションや哲学は伝統的秘湯(Traditional Hitou)と同じであるが、インフラと設備は高級。ホテル並みに館内は清潔感に溢れ、お湯もよく管理されてすばらしく、館内のテイストは和風モダンにアレンジされ、料理もよい。言うなればラグジュアリー秘湯、現代的秘湯、あるいはモダン秘湯、またはリゾート秘湯という感じである。どの言葉を使うかはかなり迷う。伝統的の反対は現代的だし。「モダン和風」という言葉は最近よく見かけるので、ここでは「モダン秘湯」(Modern Hitou)と言うことにする、とりあえず。女性に人気の宿に多い。本当は、ラグジュアリーと言いたいのだが、文字数が長過ぎるし、上には上があるので「ラグジュアリー」の言葉はとっておくことに。

 この中間のあるのが、伝統的秘湯からモダン秘湯に、あるいはリゾート秘湯のテイストに脱皮/改革しようとしている湯宿である。「脱皮/改革」が大げさなら「新しい風」を吹き込もうとしているとも言える。テイストはいろいろあって、工夫を凝らし、個性豊かなことも特長である。あえて言えば「新風秘湯」(New Wave Hitou)または「洗練秘湯」(Sophisticated Hitou)だろうか?

 正直言って、伝統的秘湯は長い歴史の積み重ねがあるのに対して、モダン秘湯は今風であるがゆえに「秘湯」の名前にはそぐわないだろう。しかし、モダン秘湯を「今、生まれつつある新しい秘湯」と解釈すれば、「秘湯」の名前を使っても良いのではないだろうか。当然、異論はあると思う。モダン秘湯は、むしろお客や時代の気風を反映して変わることが身上である。時代に媚びていると言われるかもしれないが、伝統的秘湯も、その昔は時代に媚びていたはずだ。媚びるというより、時代を映す鏡だろう。モダン秘湯も今から歴史を作って行けば50年後100年後に、伝統的秘湯になるに違いない。あくまで私の分類である。

 宿泊費用で言えば、伝統的秘湯は標準的に2万円以内、モダン秘湯は1.5万円以上だろうか。この幅は広く、1万円以内から3万円以上まである。それ以上は、経済的に行けないだけだが、欲張りな人はどちらにも行きたいに違いない。男性は、どちらかと言えば伝統的秘湯のファンが多いだろう。ひなびすぎたものに対する郷愁は女性より男性の方が強いだろうから。女性は料理や設備にも満足したいと思うのでモダン秘湯に憧れる。
 秘湯分類学(1)としたのは、いずれ(3〜5年後)、改訂する時がくると予感するので。(分類は時々変わります)

 蛇足だが、秘湯の英訳も迷っている。"Hitou"は市民権を得ているかと言えば、もう一歩か。"Secluded Spa"あるいは"Secluded Hot Springs"か?"Spa"は宿泊を前提とした温泉を指し、"Hot Springs"はどちらかというと温泉の湧いている源泉を指すらしい。日本人的には"Hot Springs"のほうが直訳っぽくてわかりやすいが、"Spa"のほうがいいのかもしれない。

【伝統的秘湯の例 : Traditional Hitou】
・ 栃木県:那須温泉郷・北温泉(映画「テルマエロマエで有名になったが、真の実力派)
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・ 秋田県:乳頭温泉・鶴の湯(絶対外せない、誰もが憧れる聖地)
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・ 群馬県:法師温泉・長寿館(足下湧出、温泉の原点を見る、感じる)
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【新しい風を吹き込みつつある秘湯の例 : Sophisticated Hitou】
・ 北海道:上の湯・銀婚湯(歴史は古くはないが、すばらしい野趣が満載!!)
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・ 福島県:高湯温泉・ひげの家(豊富な掛け流しの湯とお風呂の白い床!)
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・ 熊本県:黒川温泉・山河旅館(むしろ伝統への回帰か、雑木林は館主が創った自然!)
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・ 熊本県:阿蘇内牧温泉・親和苑(イベントへの試行錯誤、自家農園がすばらしい)
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・ 岐阜県:新高湯温泉・槍見館(露天風呂、古民家、料理、こだわりがある)
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【モダン秘湯の例 : Modern Hitou】
・長野県: 仙仁温泉・岩の湯(う〜ん、予約が採りにくい…とにかく哲学を感じる)
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・静岡県: 伊豆湯が島温泉・あせび野 (渓流沿いの露天風呂、人にはほとんど合わない)
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・ 長野県:鹿教湯温泉・三水館(野菜を食べたい人、デトックスしたい人へ)
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・ 山梨県:船山温泉(日々改革、経営者の姿勢を随所に感じる)
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